メシと道草

管理人みーるが書きたいことを書きます。

病識がある/ない(仮)

【診断前夜】

鬱が診断されたのは2021年6月の事。

それまでは鬱か躁鬱っぽいなと思っていたのだけど、ちゃんと病院には行っていなかった。

 

大学の頃鬱っぽくなった結果、(ヒモになれる見込みもあって余計)やる気が湧かなかったのもあって就活を辞めた。

その時に大学内の精神科を受診していたのだが、「よくある話で、鬱ではない」と医者に言われたため、私は今回鬱の診断が出るまでは自分は甘えているだけの怠惰な人間だと思っていた。

 

正直最初は今の精神科通院も、「鬱ではなく怠惰な人間だ」と改めて言われるのが嫌で状態が悪いままなあなあで放置していた。

そもそも、自分は所謂「理解のある彼くん」と一緒に暮らしているのもあって必要最低限の事はどうにかなっていたから、病院に行った切っ掛けは鬱ではなく不眠症の方だった。

 

 

【精神療法と投薬治療】

今は1回50分隔週の精神療法(所謂カウンセリング)と、投薬治療の2本柱で通院をしている。

 

カウンセリングは1回50分で予約料に保険が適用されないので毎回9000円ほどかかる。高い。自分の近況や状態を話すだけではなく、抑うつ気分の原因や過去のエピソードを話す事もある。

 

このカウンセリングでうつ病エピソードの診断が下り、さらに多動・衝動性が認められたため知能検査・心理検査ADHDに対しての投薬も追加される事になった。

 

カウンセリングについてはこれ以上特に説明することはないかなと思うので割愛。ここからは薬の話メインで書いていく。

 

ちなみに今現在まででこの病院には8回受診していて、次で9回目になる。

 

 

【飲んでいる薬について】

不眠症に対してはマイスリー(ゾルピデム)を服用している。この薬は1回目の診断で出された薬で、そこから変えていない。

 

鬱に対しては1回目はリフレックス(ミルタザピン)を服用していた。これは2回目の通院で出された薬で2週間ほどでやめた。0.5錠だったのだけど、凄く眠いのと、軽い記憶障害が起きていて薬を変える事になった。(異様に切り替えが早くて服用時は気持ちが楽だったけど、前日に恋人と喧嘩したことすら思い出せなかったからそういう事だと思う。)

 

現在はセルトラリン(ジェイゾロフト)の100mgを服用している。3回目の通院から徐々に量を増やしていて、100mgで安定した。

 

軽度のADHDの疑いがあるので、8回目の通院からインチュニブを服用している。こちらは最初は2錠だったが、手の震えが副作用で出て、仕事に支障をきたしたため2日目から1錠に変えている。たまに飲み忘れる。というか今朝も飲み忘れた事に今気付きました。

 

飲んでいる薬の説明はこれくらい。纏めると

マイスリー

リフレックス0.5錠→セルトラリン25mg→50mg→75mg→100mg

・インチュニブ2錠→1錠

となる。

 

 

【薬を飲む前】

薬を飲む前の自分の状態について書く。

私は、理解のある彼くん(交際6年)と過ごしているわけだが、かなり迷惑をかけながら生きてきた。

ご飯も睡眠も生活のほぼ全てを1人ではできなかった。

誇張して書いているわけではなく、実際に彼が友人との旅行でいない時はご飯を食べられず、棚にあるドーナツを半分食べて机に放置しているような感じだった。

寝る時も腕枕してもらわないと眠れなかった。昼の12時からバイトなのに朝7時まで眠れなくて、しくしく泣きながら彼を起こして寝かしつけてもらった時が何度もあった。

深夜にどうでもいいことが凄く気になって一方的に不機嫌になって近所を徘徊していた事もあった。死にたいと思った。

自殺未遂もした。

 

彼は優しいので迷惑じゃないと言っていたが、私はどれもしっかり迷惑だったと思う。そんな風に迷惑をかけるのが凄く嫌だったけれども、感情や不安はどうにも抑えられなかった。

 

故郷に住む家族にも迷惑をかけていると思った。

祖父母が大学を卒業した後も仕送りを毎月くれるのだが、お金ばかりかかって立派になれない自分が凄く嫌いでなんとかして早く死にたかった。

 

自分が生きている事で、他人が割りを食っていると思っていたし、早く、強くてニューゲームがしたかった。世界は自分がいない方が上手くいくと本気で思っていたし、自分すらコントロールできない自分がとても嫌だった。今のうちに早く死んで、自分の葬式を開いてほしいと思った。いい人のまま死にたかった。これ以上悪くなりたくなかった。

 

死んだら何も無くなるから、マイナスの状態からゼロになるのは得だと思っていたし、「死は救済」に対して異議を唱えているのは自制だけで自活できる人間だけだと未だに思う。前提が違うのだ。

私は自制だけではどうにもならないから薬を飲んで生活をしているのだからこの議論をする気もなく、私の答えは変わらない。

 

バイト先でもうまくいかなくて、どこにも自分の居場所はないと思っていたし、早く死ななきゃと思っていた。私はプライドが高くて、問題があっても自分で何とかしてしまうタイプだったから「普通」に見えていたと思うけれど、そうするのも本当はすごくしんどかった。調子がとても悪くて「普通」から漏れてしまう時があった。そんな時に頑張っていないといわれるのがすごく嫌だった。

 

私は自分にも他人にもやや厳しいタイプで、それを自覚しているからこそ無能を是とできなかった。この世の中は無能ではないなら無能に優しくするべきという不文律があって、私はぱっと見は無能ではなさそうに見えるから、優しくできないことを責められることもあった。未だに自分の無能を他人に言うのが嫌いなので、鬱の話はバイト先などではしていない。親たちにも話していない。

 

ちなみに今は普通に養ってもらっているし祖父母からの仕送りもあるので、働かなくてもギリ暮らせるが、それでも一応バイトをしているのは1回ガチのヒモになった時に自己肯定感が下がりすぎてずっと精神が良くなかったからです。

 

 

【自己診断と診断】

不眠症的な症状はここ数年あって、これに関しては多分不安症的なものが原因だったと思う。とりあえず不眠症は自分の中でも受診前から確信を持っていた。実際不眠症だった。

 

鬱については、私は躁鬱だと思っていたし、今もたまに躁鬱なのではないかと思う。実際調子の良い時・悪い時の波がかなりある。

調子の良い時はなんでもできる気がする、全能感がある。実際この期間に私は家事をまとめてやっていたり自分のできる範囲でやりたい事を全部やっていた。

逆に調子の悪い時はなんにもできない。朝起きられないから彼に体を起こしてもらう、怒られたくないという強迫観念から仕事には行けるが突然死にたくなって涙を流しながら仕事をした。休日に被ると一日中ベッドから動けなかったし動けても夕方からだった。

だから、躁鬱だと思っていたけど、診断は鬱だった。とにかく、正式に鬱だという診断が下りたので今は自立支援を申請していて、証明書が届くのを待っているという状態。

 

ADHDについては、よくわからない。仕事とか勉強とかで困った事もないし多動で困った事もほぼない。なので、薬も必要ないかなと思っている。けど、躁鬱だと思っていたのが鬱+ADHD(多動・衝動性)なんだとしたら納得もできるのでとりあえず様子見。

これに関連して知能検査も受けたけどこちらは結果待ち。

 

診断を受けて楽になった、鬱病ADHDがわかった事で生きやすくなったとかは私は感じない。

というか、病気や障害(特に精神的なものかつ日々の生活ができないほどではないものに関して)は「健常に対する、異常」だと私は捉えていて。

つまり、「私も型に当て嵌めて異常なだけ」だと思っているかつこの世界を私なりには正確に認知して自分との違いもある程度把握しているので、あまり性格や考え方は診断以前と変わっていない。

 

ただ、上記の薬を飲んで多少変わった事もあったので、そちらを次の項目で説明しようと思います。

 

 

【薬を飲み始めて変わった事】

まず、不眠症に対しては完治しているかは分からないが、薬を飲んで毎日睡眠と起床ができているので私は問題がないと感じる。

 

よく、特に向精神薬睡眠導入剤を常飲している人間に対して、薬漬けと表現するタイプの人種がいるが、私はこれがあまり好きではない。そもそも、症状に対して適切な薬が処方されている場合は薬漬けという表現はやや不適切に感じる。薬が必要だから飲んでいるのだし、今後徐々に減らしていく事は当事者なら知覚している事で、他人が心配して口を出す事ではない。余計なお世話である。究極的には私の死も私の責任なので口を出さないでほしい。

 

そして、病気や障害は、私は個性ではないと思う。違いではあるがそれはアイデンティティにはならない。薬を飲み始めて確信したのは、薬を飲んでいても(鬱や障害がなくても)、薬を飲んでいなくても私の人格は変わらないということだ。ただ、調子がいい、くらいのレベル。特に自分は元々調子がいい時もあったから、薬を飲んでその状態が安定しているという感じだからかもしれない。

 

話が若干逸れたので本題に戻る。

 

ADHDに対しての薬。これは最近処方されたものなのでまだ1週間ほどしか飲んでいない。ちなみにこの薬は薬価が高く、3割負担だと1か月5000円ほどかかる。

まだ効果がよくわからないし、そもそも私はADHDで本当に困ったことがないのであまり実感がない。けれど今日半年以上延ばしていたことを完了できたし、振り入れも1週間前にはちゃんと始められている。

 

ここからは鬱に対しての薬を飲み始めた後からの話をする。

 

まず三大欲求から。食欲・睡眠欲・性欲だとして、服薬前は睡眠欲ばかりだった。ご飯は食べていたがこれも栄養的な意味で食べていただけで特に食欲があったわけではない。ただ、ストレスが溜まると口寂しくなることが多くて暴飲暴食をしていたのでやつれた事はない。

性欲についてはなかったし、これについては特に困っていなかった。理由は食欲や睡眠欲と違って別に生活に組み込まなくても全く困らないから。

睡眠欲については、もうずっと眠かった。仕事から帰って横になると何時間か寝てしまう事もあったし、仕事がない日は起きられず、仕事がある日も仕事前ギリギリにしか起きられなかった。十何時間寝ても眠かったし、寝ていたかった。

薬を飲むと、食欲と睡眠欲に関しては適切になった。食べる量を調整できるようになった。自分の量を食べ切って、自制もできるようになった。十何時間も寝なくなった。生活がかなり改善された。性欲は変化を感じない。薬に性欲減退の記載があったような気もするが、多分性格もあるんだと思う。

 

次に生活の話をする。主にバイト先とかの事になるのだけれど、こちらは薬を飲む前がかなり悪かった時期なのもあって、劇的に改善されたように見える。

あまりイライラしなくなった。お客さんにクレームを入れられても深く落ち込むといった事はなくなったし、褒められる事も増えた。接客の点数評価があるのだが、それも最初からだと45点くらい上がった。飲む直前と比べても15点は上がってほぼ満点になった。お褒めの言葉も貰った。わざわざ電話で。

バイト先でうまくいくようになったので生活もうまく送れるようになった。そもそも薬もあって落ち込みが浅くなったのと落ち込む基準が高くなったので落ち込む事も減っていたのだが、今はかなり安定していて殆ど気持ちの落ち込みで寝込む事はない。仕事中も泣かなくなった。家事が毎日できるようになった。

 

最後に恋愛について話す。恋人と一緒に暮らしているので生活の変化の延長ではあるのだけれど。

私は鬱の診断が出る前は、かなり恋人に迷惑をかけていたし頻繁に彼に当たってしまっていた。大声で捲し立てることもあった。切っ掛けはいつも些細なことで、彼の気が利かないとか、そういうどうでもいいことだった。毎回、自分でも何故怒りが抑えられないのかも理解できなかった。感情と理性の温度が乖離していて、頭では愚かなことだと分かっていたのに、身体が追い付いていなかった。彼を怒って落ち着いた後はいつも早く死んでしまいたかった。意味の分からないことで怒ってしまう自分が嫌だった。

感情と理性があべこべだったから、彼に「死んでくれ」と口が喋ると心の中では「自分が死んだ方が彼は幸せになれる」と思っていた。二重人格みたいだった。

診断が出て薬を飲み始めてからは、滅多に怒らなくなった。薬を飲む前にしたようなことは一度もしていないし、今後もしないと思う。感情と理性が同じ温度というのは、とても心地がいいことで、すべての感情が理論的に説明でき、自分の思った通りに身体が動く。自分を自分で制御できることがとても喜ばしく感じる。

今までは、自分と別れた方が相手は幸せになれると思っていたので、なあなあだったけれども相手との今後の人生についても少しづつ考えられるようになった。鬱気分だと未来のことは全然考えられなくて、深い霧の中で3m先を考えるような日々だった。

 

 

【まとめ】

精神科は最初は抵抗があるし、薬も嫌な感じがするかもしれない。カウンセリングや心理検査・知能検査も自由診療のため高いしお財布も厳しいかもしれない。

けれど、楽になるのであれば絶対に行った方がいい。強制はしないけれど、割と薬を飲むと楽になることもあるので。受診のメリットがデメリットを超えるのは、鬱などの精神が不安定なことに対するなんとなくの原因がわかっていて(漠然とした仕事に対する不安など)かつその状況を続けなければならない人間かと思う。その中でも、仕事が原因の人は劇的に改善されることもあると肌で感じた。

薬についてのネガティブな感情がある人はお医者さんや薬剤師さんにしっかり相談すると不安が解消されるかもしれない。私は科学を信奉しているのと、薬が心身に及ぼす影響を実感として持てるので薬を飲むのは好きな方だからあまり意識したことはない。

カウンセリングは高いけれど、薬の処方だけに利点があるのではなく、誰かに自分の体験を話すことで自己理解が深まることもある。特にプライドが高くて周りに相談できない人にはお勧めできると思う。私は友人や恋人にさえも話していない葛藤もあったし、自分の心の中で思うだけで口にしていなければ案外把握できないこともあると分かった。理解していても納得はしていない状態が、理解して納得もしている状態になった。

あと、心理検査・知能検査は私は面白そうだったから受けた。ちなみに知能検査に関してはある項目とある項目の差が激しいと悪いらしいですよ。

 

 

書くの飽きたので終わります。また適当に更新します。

とりあえず今後はいとこ叔母の話と映画のレビューと自己理解の話を書くつもりなんだけど、この記事自体が自己理解の話だからたまには娯楽系の記事を書きたいなと思います。なので多分映画の話になると思う。6000字になった、私にしては長いね。終わり。